中学入試で定番の地理歴史複合オリジナル問題(3)
中学入試:地理歴史の複合問題
最澄が建てた延暦寺がある都道府県の説明として正しいものを(ア)〜(エ)から選びなさい。
- (ア) ミカンの栽培がさかんで、収穫量が全国1位となっている。
- (イ) 近郊農業がさかんで、タマネギの収穫量が全国3位となっている。
- (ウ) 西陣織(絹織物)、清水焼(焼き物)などの伝統工業がさかん。
- (エ) 甲賀市の信楽焼は全国的に有名な伝統工芸品となっている。
応用問題
空海が建てた金剛峰寺がある都道府県の説明として正しい選択肢は?
地理歴史複合問題の解答と解説
平安時代の新しい仏教として広まったのが天台宗と真言宗です。
これを広めたのが最澄と空海。寺院が延暦寺と金剛峰寺です。
紛らわしいので整理します。
天台宗 | 真言宗 |
---|---|
最澄 | 空海 |
伝教大師 | 弘法大師 |
比叡山 | 高野山 |
延暦寺 | 金剛峰寺 |
滋賀県 | 和歌山県 |
どちらも山の中でのきびしい修行を重視するものでした。
お寺なので京都府か奈良県と思ってしまいがちですが、どちらでもありません。
引っかけ問題として狙われやすいので気をつけておきましょう。
延暦寺と金剛峰寺は滋賀県と和歌山県です。
滋賀県の特徴
あとは地理の問題です。
問われているのは「延暦寺がある都道府県」なので滋賀県のことです。
滋賀県と言えば琵琶湖が真っ先に思い浮かぶと思いますが、そんなカンタンな問題は中学入試では出題されません。琵琶湖以外の滋賀県の特徴を知っておきましょう。
- 県庁所在地は大津市
- 近江盆地での米作りがさかん
- 甲賀市の信楽焼が全国的に有名
津市は隣接する三重県の県庁所在地です。
大津市と津市も間違えないようにしましょう。
これで答えがわかりますね。
答えは(エ)。
「甲賀市の信楽焼は全国的に有名な伝統工芸品となっている。」のが滋賀県です。
応用問題の答え
金剛峰寺があるのは和歌山県です。
となればカンタンですよね。
和歌山県は紀ノ川、有田川流域でミカン栽培がさかんに行われています。
収穫量も全国1位です。ちなみに、2位が愛媛県、3位が静岡県です(2014年)。
というわけで、正解は(ア)。
残りの選択肢(イ)と(ウ)がどこかもわかりますか?
(イ) 近郊農業がさかんで、タマネギの収穫量が全国3位となっている。
→ 兵庫県。淡路島でのタマネギ栽培が有名です。
(ウ) 西陣織(絹織物)、清水焼(焼き物)などの伝統工業がさかん。
→ 京都府。西陣織、清水焼で有名なのは京都府です。
西陣織の西陣とは、応仁の乱のときに西軍が陣をおいたことからつけられた地名です。