中学入試で定番の地理歴史の複合問題対策(1)

中学入試で定番の地理歴史の複合問題対策(1)

中学入試で定番の地理歴史複合オリジナル問題(1)

地理歴史の複合問題

次の場所がある都道府県の説明として正しいものを(ア)〜(エ)から選びなさい。

 

(場所) 後醍醐天皇がこの地で南朝をひらき、足利尊氏の北朝との対立が続いた。

 

  • (ア) 吉野川下流に広がる平野では農業生産がさかんで、この県のにんじんの収穫量は全国3位です。
  • (イ) 県最南端に位置する潮岬は台風の通り道となることも多く、年間降水量は2,500mmにも達します。
  • (ウ) 紀ノ川上流で採れるスギは有名で、隣県の尾鷲ヒノキなどとともに日本の三大美林のひとつとなっています。
  • (エ) 松阪市とその近隣で生産された牛は「肉の芸術品」とも呼ばれ、県を代表するブランド農産品となっている。

 

応用問題

上記の(ア)〜(エ)はどの都道府県の説明かをそれぞれ考えてみましょう。

 

地理歴史複合問題の解答と解説

後醍醐天皇が南朝をひらいた場所は吉野。だから、吉野川が入っている(ア)。
と考えるのは間違いです。これは「吉野」を使った引っかけ問題です。

 

中学入試で出てくる「吉野川」は2つあります。
高知県、徳島県を流れる吉野川と奈良県を流れている吉野川です。

 

徳島県の吉野川
  • 下流には徳島平野が広がる
  • 別名で四国三郎とも呼ばれる
  • 日本三大暴れ川のひとつ

日本三大暴れ川の残り2つは、坂東太郎(利根川)と筑紫次郎(筑紫川)です。

 

奈良県の吉野川
  • 奈良県から和歌山県に流れる紀ノ川の奈良県での呼び方
  • 上流の吉野すぎが日本の三大美林のひとつ

同じ河川なのに県によって呼び方が違うものには、ほかに信濃川が有名です。長野県から新潟県に流れる信濃川は長野県では千曲川と呼ばれます。

 

ここまで読めば答えがわかりますよね。
正解(ウ)です。

 

選択肢の中ではスギとしか書かれていませんが、これは吉野スギのことです。
ついでに日本三大美林も覚えておきましょう。

  • 日本三大美林(人工林) … 天竜スギ(静岡県)、吉野スギ(奈良県)、尾鷲ヒノキ(三重県)
  • 日本三大美林(天然林) … 津軽ヒバ(青森県)、秋田スギ(秋田県)、木曽ヒノキ(長野県)

 

応用問題の答え

(ア)徳島県
徳島県は、にんじんの収穫量が全国3位です。

 

(イ)和歌山
本州最南端の潮岬があるのは和歌山県です。

 

(ウ)奈良県
紀ノ川の奈良県での呼び方が吉野川です。

 

(エ)三重県
松阪牛で有名なのは三重県です。神戸牛(兵庫県)、近江牛(滋賀県)も覚えておきましょう。