2016年4月25日に文化庁から平成28年度の日本遺産が発表されました。
日本遺産というのは地域の伝統・文化を伝えるストーリーを認定するものです。世界遺産とは異なり日本独自のもので2015年に始まった新しい制度になります。
日本の地理、歴史と関連するテーマですので、中学入試でも関連するものが出題されるかもしれません。いくつか中学受験に関係しそうなものをピックアップしてみました。
仙台市、塩釜市、多賀城市、松島町(いずれも宮城県)が申請して認定されたのが、伊達政宗が育んだ仙台の文化です。
どちらも歴史分野で基礎となる問いです。
伊達政宗は戦国大名のひとり。
病気で右目を失明したことから独眼竜とも呼ばれた人物です。
この時代の文化は安土桃山文化。
戦乱の世だけに豪華で派手なものが多いのが特徴です。
「未来を拓いた「一本の水路」−大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡 郡山・猪苗代−」という名称で認定を受けたものもあります。場所は郡山市、猪苗代町(いずれも福島県)。
この長い名称を覚える必要はありません。
ポイントとなるのは安積疏水。
大久保利通“最期の夢”というのが安積疏水のことです。
中学入試の地理では必須ワードです。
農業に必要な「かんがい用水」のひとつですよね。
安積疏水は、猪苗代湖から郡山盆地に水を引いています。
(引っかけ問題で福島盆地となることがあるので気をつけましょう。)
もうひとつ地理分野で押さえておきたいのが「森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ〜美林連なる造林発祥の地“吉野”〜」。吉野町など奈良県が認定されたものです。
吉野の林と言えばスギですよね。
日本三大美林(人工林)のひとつです。
吉野スギが三大の1つということは残り2つがわかりますか?
正解は、天竜スギ(静岡県)と尾鷲ヒノキ(三重県)です。
紛らわしいのですが、自然林の日本三大美林は、津軽ヒバ(青森県)、秋田スギ(秋田県)、木曽ヒノキ(長野県)です。しっかり覚えておきましょう。