東北地方の農業に関してポイントとなるところをまとめました。
東北地方は米作りだけでなく野菜でも全校有数の産地がたくさんあります。
しっかり整理して覚えるようにしましょう。
東北地方だけで日本のお米の4分の1が生産されています。
特に秋田平野、庄内平野、仙台平野で米作りがさかんで日本の穀倉地帯とも呼ばれています。
なお、東北地方は冬は積雪で農作業ができません。
このため、水田で1年に1回、コメだけをつくる水田単作地帯となっています。
水稲+陸稲の都道府県別収穫量ランキング(2019年)がこちら。
順位 | 都道府県名 | 全国割合(%) |
---|---|---|
1 | 新潟県 | 8.3 |
2 | 北海道 | 7.6 |
3 | 秋田県 | 6.8 |
4 | 山形県 | 5.2 |
5 | 宮城県 | 4.9 |
(出所:農林水産省ホームページ「わがマチ・わがムラ」から作成)
東北地方の中で秋田県、山形県、宮城県で稲作がさかんです。それぞれ、秋田平野(秋田県)、庄内平野(山形県)、仙台平野(宮城県)が主な産地となっています。
ちなみに、6位福島県(4.7%)、10位青森県(3.6%)、11位岩手県(3.6%)でも米作りは行われています。
温度の低い水ではコメが育ちにくいため、東北地方では「ぬるめ」という太陽光を利用して水温をあたためた後に田んぼに水を引く工夫が行われています。
秋田県の八郎潟はかつては琵琶湖の次に大きな湖でしたが、干拓して水田とし、稲作が行われるようになりました。干拓した八郎潟は大潟村と命名されました。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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りんご | 青森県 | 長野県 | 岩手県 | 山形県 | 福島県 |
2021年 | 63.3% | 16.8% | 6.5% | 4.9% | 2.8% |
おうとう | 山形県 | 北海道 | 山梨県 | 秋田県 | |
2021年 | 76.6% | 12.5% | 7.9% | 3.0% | |
西洋なし | 山形県 | 新潟県 | 青森県 | 長野県 | 福島県 |
2021年 | 72.0% | 9.3% | 9.2% | 6.6% | 2.9% |
大豆 | 北海道 | 宮城県 | 秋田県 | 滋賀県 | 青森県 |
2021年 | 42.8% | 9.0% | 5.6% | 3.5% | 3.3% |
そば | 北海道 | 山形県 | 長野県 | 福島県 | 秋田県 |
2021年 | 42.3% | 8.9% | 6.1% | 5.7% | 5.3% |
もも | 山梨県 | 福島県 | 長野県 | 山形県 | 和歌山県 |
2021年 | 35.9% | 25.2% | 11.0% | 9.2% | 7.6% |
だいこん | 千葉県 | 北海道 | 青森県 | 鹿児島県 | 神奈川県 |
2021年 | 12.4% | 12.0% | 9.6% | 7.8% | 6.2% |
農林水産省ホームページ「わがマチ・わがムラ」から作成
東北地方は果物の生産でも全国有数です。全国1位となっているのは青森県のリンゴと山形県のサクランボ。サクランボは試験ではオウトウ(桜桃)と表記されることもあるので気をつけましょう。
リンゴは津軽平野、サクランボは山形盆地、モモは福島盆地での生産が特に有名です。リンゴは青森県以外でも、岩手県、山形県、福島県と東北地方では涼しい気候を活かしてたくさんつくられています。
リンゴの栽培には夏の気温は21度以下が適しているので、夏でも涼しい東北地方や長野県でたくさんつくられています。
岩手県を中心とした北上高地で酪農がさかんなことも東北地方の特徴です。
また、養殖も各地で行われています。
いずれも試験で狙われやすいポイントなので覚えておきましょう。
東北地方の農業に関連して覚えておきたいキーワードが「やませ」です。
やませとは、夏に太平洋側で吹く北東の季節風のこと。
寒流の千島海流の上を通てくる冷たい風のため、農作物の生育に悪影響を及ぼします(これを冷害といいます)。コメの収穫量ランキングで、上位が秋田県と山形県の日本海側になっていることと結び付けて覚えておきましょう(やませの影響を受けるのは太平洋側)。
東北地方は南北に連なる奥羽山脈を境にして太平洋側と日本海側で気候が大きく異なります。
雪室(ゆきむろ)とは雪で作られた天然の冷蔵庫のことです。冬の間に農産物をつくることができない東北地方では雪が降る前に採れた野菜などを雪室で保存しています。