中部地方の農業について中学受験の社会(地理分野)でポイントとなるところをまとめました。
整理して覚えるようにしましょう。
中部地方の農業で最大のポイントは越後平野(新潟県)での稲作です。
越後平野は信濃川と阿賀野川の下流域に広がる平野で日本最大の稲作地帯となっています。
お米の生産量は新潟県が1位。
特にコシヒカリの産地として有名です。
越後平野はもともとは湿田地帯でしたが、暗きょ排水による乾田化により穀倉地帯へと生まれ変わりました。
順位 | 都道府県名 | 全国割合(%) |
---|---|---|
1 | 新潟県 | 8.3 |
2 | 北海道 | 7.6 |
3 | 秋田県 | 6.8 |
4 | 山形県 | 5.2 |
5 | 宮城県 | 4.9 |
(出所:農林水産省ホームページ「わがマチ・わがムラ」から作成。水稲+陸稲収穫量で計算)
中部地方ではほかに富山県が12位、長野県が13位に入っています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
茶生葉 | 静岡県 | 鹿児島県 | 三重県 | 宮崎県 | 京都府 |
2021年 | 40.6% | 38.4% | 7.7% | 4.3% | 3.5% |
レタス | 長野県 | 茨城県 | 群馬県 | 長崎県 | 兵庫県 |
2021年 | 33.8% | 16.4% | 10.3% | 6.6% | 4.9% |
ぶどう | 山梨県 | 長野県 | 岡山県 | 山形県 | 福岡県 |
2021年 | 27.1% | 19.2% | 10.1% | 9.7% | 4.6% |
もも | 山梨県 | 福島県 | 長野県 | 山形県 | 和歌山県 |
2021年 | 35.9% | 25.2% | 11.0% | 9.2% | 7.6% |
はくさい | 茨城県 | 長野県 | 群馬県 | 埼玉県 | 鹿児島県 |
2021年 | 29.4% | 26.8% | 3.5% | 2.9% | 2.8% |
りんご | 青森県 | 長野県 | 岩手県 | 山形県 | 福島県 |
2021年 | 63.3% | 16.8% | 6.5% | 4.9% | 2.8% |
西洋なし | 山形県 | 新潟県 | 青森県 | 長野県 | 福島県 |
2021年 | 72.0% | 9.3% | 9.2% | 6.6% | 2.9% |
トマト | 熊本県 | 北海道 | 愛知県 | 茨城県 | 千葉県 |
2021年 | 18.4% | 9.1% | 6.8% | 6.6% | 4.5% |
みかん | 和歌山県 | 愛媛県 | 静岡県 | 熊本県 | 長崎県 |
2021年 | 19.9% | 17.2% | 13.4% | 12.1% | 7.0% |
キャベツ | 群馬県 | 愛知県 | 千葉県 | 茨城県 | 長野県 |
2021年 | 20.3% | 18.5% | 8.3% | 7.6% | 5.0% |
農林水産省ホームページ「わがマチ・わがムラ」から作成
中部地方で収穫量の多い農産物は静岡県の茶生葉と長野県のレタスです。
ともに全国1位で、静岡のお茶は全国の約4割、長野のレタスは全国の約3割となっています。
生産地として、お茶は牧ノ原台地(静岡)、レタスは野辺山原(長野)が有名です。
野辺山原(長野県)は夏でも涼しい気候を利用して、レタスやキャベツなど高原野菜が作られています(抑制栽培)。レタスの収穫量は長野県が全国1位です。
同じ高原野菜のキャベツは群馬県が収穫量全国1位。嬬恋村での生産がとくに有名です。
中部地方の農業では果樹栽培も重要です。
特に甲府盆地(山梨県)のモモ、ぶどう、長野盆地のリンゴは全国的に有名。
都道府県の収穫量ランキングでも、甲府盆地のある山梨県はモモ、ぶどうが全国1位。長野盆地の長野県はリンゴ、ぶどうが全国2位です。
甲府盆地は水はけのよい扇状地で果樹栽培に適しているというのもポイントです。
果物全体の産出額では山梨県は全国4位(2021年)ですが、ぶどうとモモは全国1位です。
順位 | 都道府県名 | 全国割合(%) |
---|---|---|
1 | 山梨県 | 27.1% |
2 | 長野県 | 19.2 |
3 | 山形県 | 10.1 |
4 | 岡山県 | 9.7 |
5 | 福岡県 | 4.6 |
(出所:農林水産省ホームページ「わがマチ・わがムラ」から作成)
順位 | 都道府県名 | 全国割合(%) |
---|---|---|
1 | 山梨県 | 35.9 |
2 | 福島県 | 25.2 |
3 | 長野県 | 11.0 |
4 | 山形県 | 9.2 |
5 | 和歌山県 | 7.6 |
(出所:農林水産省ホームページ「わがマチ・わがムラ」から作成)
ぶどうやモモは、一日の中での寒暖差(最高気温と最低気温の差)が大きく、雨が少ない地域が栽培に適しているため、山梨や長野の盆地で生産されています。
ほかにも中部地方の農業で有名なものをまとめました。
電照菊というのは電球で照らすことで菊の成長を遅らせて出荷するもののこと。
成長を遅らせることを抑制栽培ということも覚えておきましょう。
渥美半島のある愛知県は、菊とバラの出荷量が全国1位(2018年)です。